近年、震災による原発の稼働停止等に起因する電力事情の悪化が問題となってきていましたが、その問題解決のためのエネルギー政策の見直し等により、太陽光発電が注目を集めています。
一般住宅への導入推進のための補助金制度の実施で普及が進んだ太陽光発電ですが、2012年7月1日より実施された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」によりさらに飛躍的に増加しています。
住宅への導入は元より、発電ビジネスへの参入を資金の面から容易にしたことがその理由としてあげられます。
余剰電力だけを買い取っていたそれまでの制度から、発電した電力すべてを固定価格で買い取る制度に変わったことによって、太陽光発電は収益事業として注目を集めるようになったのです。
太陽光発電の今後
2013年8月には国内のメガソーラー設置数は400を超え、太陽光発電は純粋な発電ビジネスだけでなく、ファンドが設立されるなど、投資対象として資金を集めるまでになっています。
現在はビジネスへの参入が相次いでいる状態ですが、今後、これらのビジネス間に競争が起こり、中には淘汰されるものも出てくることが予想されます。
また、現在の太陽光発電増加の基盤となっている「再生エネルギーの固定価格買取制度」については、太陽光発電普及のため、ユーザーの負担によって高額の買取価格を実現しているという事情があるため、今後の見直しによって買取価格が低下していくことは確実です。
そういった現状の中、ビジネスの成功を確実なものとするためには、事業改善やメンテナンスへの継続的な取り組みが重要となります。
太陽光発電のメリット・デメリット
太陽光発電については、様々なメリットがあげられるわりには、デメリットとして、天候に左右されることとと、導入費用が高額になること程度しかいわれてきませんでした。
ただ、普及において最大の障壁となっていた導入費用は、補助金の提供や固定価格買取制度によって大きなデメリットではなくなりました。
その結果、急速に普及が進行してきましたが、そのことによって新たなデメリットが浮上してきました。
<太陽光発電のメリット>
発電システムに可動部分が無く、機械的な故障が起こりにくい。
太陽電池は電卓にも取付が可能なように、規模に関係がなく、日射があれば、あらゆる場所に導入が可能。
発電時に、廃棄物・排水・排気・騒音・振動など公害の要因になるようなものが発生しない。
発電出力のピークが昼間になるため、夏季などは電力需要ピーク時の電力削減に効果が期待できる。
需要のある場所に直接設置できるので、送電にかかるコストや損失を抑えられる。
他の発電方式に比べると設置についての制限が小さく、建築物の屋根等に設置できるため、発電設備のために土地を用意しなくても発電が可能。
発電のために化石燃料を必要としないため、国としての炭酸ガスの排出量を抑制でき、エネルギー安全保障上も有利になる。
<太陽光発電のデメリット>
発電電力量当たりのコストが他の発電方法より割高な場合が多い。
夜間は発電せず、昼間も天候・気候等により発電量が大きく左右される。
可動部が無いために故障に気づきにくく、故障箇所をバイパスして発電し続けるシステムの設計自体がその傾向をさらに強くしている。
屋根など普段近づけない場所に発電部本体があるため、点検が困難である。
発電システムが各住宅・施設等に分散し、保全・管理等が各ユーザー単位になるため、管理に関する制度等が無い状態では充分なメンテナンスがされない可能性があり、社会的な損失をまねく恐れがある。