官民連携による都市開発の象徴的なプロジェクトとして注目されていた「虎ノ門ヒルズ」が完成し、11日からの開業となるとのことです。
同ビルは、道路の上空に建築物を建てる「立体道路制度」を活用し、東京都施行の市街地再開発事業における環状第二号線の整備と一体となり建設がすすめられてきました。

虎ノ門ヒルズは、地上52階建て、高さ247メートルの超高層複合タワーで、ホテル「アンダーズ東京」、1フロア約1,000坪に及ぶオフィスエリア、高層住宅エリア、国際水準のカンファレンス施設、商業施設など様々な用途によって構成されており、その規模からも一つの町といえるものとなっています。

同ビルは、省エネや環境配慮への取り組みを積極的に行っており、主なものとしては、大庇に太陽光発電パネルを設置し、地下にある大規模な蓄熱層を利用した超高効率熱源システムを空調に役立てるなどがあげられます。

省エネ、省CO2対策としては、ビル内のエネルギー使用状況をリアルタイムに把握し、データを蓄積・分析することができるエネルギーウェブシステムを導入しています。
さらに、クラウド型コンピューティングサービスを用いて周辺街区に省CO2対策を促す取り組みを計画しており、平成22年度「省CO2先導事業」にも認定されています。

Low-Eペアガラスの採用やLED照明の導入などにより、環境性能評価「CASBEE」で最高ランク「S」を取得しているほか、生物多様性に配慮した植栽を施した約6000平方メートルのオープンスペースを確保し、日本生態系協会によるハビタット評価認証(JHEP)の最高ランク「AAA」にも格付けされています。

また、低層階の共有部については災害時の一時滞在スペースとしての使用が可能で、水や食料の備蓄などによりシェルターとしての機能もあり、地域の防災拠点としての役割も果たすことができます。

虎ノ門ヒルズは、以上のような先進的な技術を駆使した省エネ性能を持つと同時に環境・防災に配慮した複合施設、そして新しいランドマークとしての役割を果たしていくことが期待されています。