調査会社の富士経済によると、2013年度の国内太陽光発電システム市場は、導入量ベースで前年比3.4倍の7,050MWとなり、導入量で世界1位となる見込みとのことです。
産業用が前年比7.9倍の5,500MWとなっており、この産業用の急拡大が太陽光発電市場全体を牽引したものと思われます。
世界太陽電池市場の動向としては、これまで市場を牽引してきた欧州の割合は縮小傾向にありますが、中国やインドをはじめとした新興国、北米や日本などの市場が好調になっているとのことです。
中長期的にも世界の太陽電池市場は拡大し、2020年には出力ベースで前年比2.4倍の84,145MW、金額ベースで同1.4倍の3兆6,035億円になると予測されています。
需要地も広がりを見せており、ドイツやイタリア、米国、日本だけでなく、中国やインドでの需要が顕在化し、今後は東南アジアや南米、アフリカなどの日照条件の良好な地域での需要増加も期待されます。
国内産業用は、2012年7月に施行された再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が需要を呼び、市場は大幅に拡大しましたが、同制度によるプレミアム期間は3年間と言われており、2015年度には市場は縮小に転じると予測されています。
ただ、その後も同制度認定済の案件が多数残るため、2015年度以降もかなりの需要が見込まれるとのことです。
また、メーカーの努力もあり、太陽光発電システムの導入コストは低下しており、将来的に再生可能エネルギーを活かせる電力インフラや社会システムが構築されれば、長期的にも一定の需要が期待できるものとみられています。
住宅用については、家庭用電気料金が産業用電気料金よりも高いこともあり、太陽光発電システム導入の経済的メリットが大きいことがあげられます。
また、太陽光発電導入に対する意識が高まっていることもあり、中長期的には、日照条件の悪い住宅を除く大多数の住宅で太陽光発電システムが導入されていくとみられています。