日本アジアグループ傘下で、太陽光発電事業などの開発運営を行うJAG国際エナジー(東京都千代田区)は、栃木県と大分県で展開するメガソーラー発電事業において、プロジェクトファイナンス部分を証券化し総額約15億円の資金調達を行うと発表しました。
対象となるメガソーラー発電所は、栃木県那珂川町の「サイカチ山ソーラーウェイ」(約1.6MW)、大分県杵築市の「杵築ソーラーウェイ」(約2MW)、大分県宇佐市の「宇佐ソーラーウェイ」(約0.9MW)の計3ヵ所になります。
本プロジェクトで証券化された信託受益権は、日本格付研究所(JCR)から「BBB(トリプルBフラット)」の格付を取得しており、この有価証券を新生信託銀行が発行し、資金調達を行うとのことです。
日本格付研究所、格付けの理由について以下のように発表しています。
メガソーラープロジェクトのリスク要素については以下の点をあげています。
1.スポンサーの信用力
2.パネルメーカーの信用力
3.O&Mなどに係るリスク、立地
4.日射量の変動性など
上記1~4について、本件においては以下の点を考慮したとのことです。
1.実質的な事業会社の倒産隔離性を確保するための適切な手当てがなされている。
2.パネル、パワーコンディショナについては良好な財務と技術力を有する大手メーカーが選定されている。
3.O&M契約、アセットマネジメント契約において、適切な計画が策定 されており、バックアップ体制が整っている。
4.メガソーラープロジェクトの売電収入は、中期的に見た場合、変動性が抑制される傾向にあり、費用の変動制も低いと判断されている。
また、日照量の評価を行い、発電量の変動、通期にわたって必要とされる費用の支払いに備えた積立計画の有無も考慮した。
メガソーラー事業を証券化するために格付を取得した例としては、ジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)をスポンサーとするメガソーラー事業が2013年8月にJCRから取得したもので、以下の2件があります。
1.宮城県黒川郡の案件で「A(Aフラット)」の格付を取得。
2.宮城県大崎市の案件で「A-(Aマイナス)」の格付を取得。
これからもわかるように、これまでのメガソーラー事業に対する格付評価に比べ、今回の案件はやや低めの評価になっていますが、大規模な単一の案件と比較するとプロジェクトIRRがやや見劣りする水準にある、というのがJCRの見解となっています。
今後、このように事業のファイナンス部分を証券化する形での資金調達が活発になるかどうかが注目されています。