経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度における平成26年度の認定運用の変更について、「分割案件の取り扱い」に関する質疑応答を情報として追加しました。
分割案件とは、同一の事業地における大規模設備を意図的に小規模設備に分割して別々に申請する案件のことで、様々な問題を含むものとなっています。
今回の運用変更では、「分割案件」については、関連する該当発電設備をまとめて一つの認定申請案件とするなど、適正な形での申請を求めることとし、これに応じない場合は認定をしないものとしています。
質疑応答では、どのようなケースが分割案件にあたるか等について説明し、認定取得後に、実質的に分割案件として事業が行われることと認められる場合には、事後的に認定が取り消される可能性があるともしています。
また、分割案件を禁止する背景についても回答しており、同一の事業地における大規模設備を意図的に小規模設備に分割することにより発生する以下の問題を防止することを目的としているとのことです。
1.本来、適用されるべき安全規制が実質的に回避されること
2.本来、発電事業者側で手当てすべき接続に当たっての補機類の整備が、電力会社側に結果的に転嫁され、特定原因者のための電気料金上昇を招く恐れがあること
3.本来であれば、必要のない電柱や電力メーター等が分割接続のためだけに新たに必要となること
4.50kW以上の太陽光発電に課される土地及び設備の180 日以内の確保義務等の履行逃れに悪用される恐れがあること
ここで注目されるべきは4番目にあげられた問題です。
これは、太陽光発電用の土地と設備の両方を準備していない事業はもとより、どちらか一方しか準備していないケースについても、8月末までに両方を確保しない場合、認定を取り消すとの発表が行われたため、その回避策として、この認定取り消しが50kw以上が適用されるという条件に注目し、これをクリアするための分割申請が横行しているということがわかります。
固定買取価格は見直しにより毎年低下しているため、事業が不透明な段階での申請は後をたたないようです。
今のところ、網の目をくぐりぬけようとする悪質な事業者とのいたちごっこの様相がありますが、正当な事業者を保護するための制度整備が急がれているようです。