経済産業省は、太陽光発電の固定価格買取制度における認定を受けたのにもかかわらず、進めようとしない事業670件について認定を取り消すと発表しました。
事業者から事情を聞いた上で3月にも取り消し処分に踏み切る模様で、実行されれば同制度において初めての取り消し処分となります。
この他、太陽光発電用の土地と設備のどちらか一方しか準備していない780件の事業についても、8月末までに両方を確保しない場合、認定を取り消す方針とのことです。
同制度開始時の買取価格は42円/1kw時と高めに設定されていましたが、その後、年ごとに見直しされ低くなっています。
ただ、認定時の買取価格で電力会社に売電できる仕組みとなっているため、システム価格・建設費等が低下して充分な利益が見込めるようになってから事業を開始することとし、とりあえず高い買取価格で認定だけ取っておくという事業者が続出する結果となりました。
また、認定自体を他業者に譲渡することによって利益を得ようとする想定外の事例も見られます。
経済産業省の調査によると、12年度に認定を受けた4700件のうち約570件が、発電用の土地も設備も確保していない状態であることが判明した他、調査自体に回答のなかった認定事業も100件ほどあるとのことです。
これは、認定条件として発電開始時期などの期限設定が設けられていないという不備が要因であると思われますが、太陽光発電の普及の妨げとなる可能性もあることから、経産省もここに来て取り組まざるをえない状況になったようです。
高い設定の買取価格はユーザーの電気料金に上乗せされていますので、制度の不備には迅速な対応が望まれます。