次世代のスマートシティを想定した技術の実証を行うため、大林組は同社技術研究所(東京都清瀬市)に、太陽光発電システムや大型蓄電池、ビックデータを活用したEMSなどを活用したスマートエネルギーシステムを構築するとのことです。

今回、構築するスマートエネルギーシステムでは、技術研究所の通常稼働時の消費電力にほぼ匹敵する約900kWの太陽光発電システムを導入し、これらを安定的に活用するためマイクロコンバインド発電システムと施設の通常稼働3日分に相当する大型蓄電池の導入を予定しています。
メインの太陽光発電システムと、それを補完する発電システムにより構成されていますが、これらの連携により電力需要ピーク時の供給に柔軟に対応できることが期待されます。

また、ビッグデータなどを活用した電力需給の予測とリアルタイムな電力需要の把握に基づき、時々刻々と変動する需給バランスを調整するEMS(エネルギーマネジメントシステム)も合わせて構築し、このスマートエネルギーシステムさらなる有効活用を意図しています。

これらを実現するために、コンピューター上に街を丸ごと再現するシステムであるSCIM(Smart City Information Modeling)を導入するとのことです。
これによって、計画段階におけるシステムの最適設計や環境シミュレーション、施工段階における不具合防止、運営段階におけるエネルギーの見える化やインフラの維持管理など、街づくりのあらゆる段階でさまざまなサービスを提供することができます。

今回の実証は、市街地再開発、大規模な工場・大学・病院など複数の建物で構成される街や施設などの地域全体レベルにおいて、環境への影響を考慮しつつ、必要なエネルギーを効率的に確保する理想的な「スマートシティ」構築へのステップとして期待されます。