経済産業省は、太陽光発電の買取価格の引き下げも含めた再生可能エネルギー普及策の見直しに入りました。
電力会社に買取を義務づける価格は、現行の2013年度の38円から、2014年度には34円、2015年度には30円と、2年間に2割以上も下げる案が浮上しています。
2012年の制度開始時の42円からは3割引き下げられたことになります。

太陽光発電量についての政府の20年の見通しは2800万kwでしたが、現在までに認定済となっている分は2700万kwとなり、すでに見通し発電量にほぼ達しています。
実情は、高めの買取価格に目をつけて認定だけを急いで取ったものの、稼働していないものが7割以上あるとのことです。
ただ、これらが今後稼働することになれば、10~20年の期間で高いコストの発電が続くことになります。

高い買取価格は利用者の負担によって維持されていますが、あまり負担が膨らまないうちに、新規の事業参加を抑制する方向に持っていく目的であると思われます。
海外資本の参加も含め、ここのところ新規事業参加が相次いで賑わった太陽光発電市場もここに来て一息つくことになりそうです。
中には、反動による大幅減少を懸念する向きもあるようです。

1kwあたりの買取価格については、風力発電23.1円、地熱発電27.5円と比べると、太陽光発電の38円というは突出して高い設定になっているといえます。
これらの価格の不均衡を是正することによって、今後は風力発電や地熱発電の拡大に軸を移すとのことです。

ただ、太陽光発電の場合は建設に適した敷地が全国にむらなくあるのに対して、風力発電や地熱発電は適した敷地が特定の地域に集中しているという事情があり、再生可能エネルギーの普及にどれだけつながるかは不透明となっています。