アサヒ電子(福島県伊達市)とブリスコラ(東京都港区)は、クラウドシステムを活用して、太陽光発電をモニタリング・評価する研究開発に着手すると発表しました。

本研究開発は、公益財団法人福島県産業振興センターが公募した「平成25年度(第1回)ふくしま産業応援ファンド事業」の製造業集積活用型事業において、両社の「高効率ソーラー発電システム・モニタリングデータクラウド実用化研究開発」の共同提案が採択されたことを受けて実施するものです。

太陽光発電システムの管理においては、1枚単位での不良測定や、PV(太陽光発電)・PCS(パワーコンディショナー)双方の発電量等、発電データの詳細をリアルタイムで監視し、評価する必要があります。
本研究開発においては、広大な敷地において、局所(時間・場所)での現象をリアルタイムでモニタリングし、ブラウザ、iPhone・iPad等のスマートデバイス等により遠隔地から運用・管理することによって、故障箇所を迅速に修理することを可能にします。
また、日射、温度、気象等の情報と合わせてデータを分析することにより、太陽光発電システム運用の最適化を目指します。

具体的には、アサヒ電子工場屋上に設置した40kwの太陽光発電システムを活用して、設備・システムの試作品を作成した上で、本格的な事業化を見据えて、日本各地での再生可能エネルギー発電プロジェクトに対して、当該設備・サービスのコンセプトを説明、ヒアリングを実施して事業を展開していくとのことです。

平成25年度の達成目標は、「不良パネルのストリング毎検出」として、ソーラーパネル枚毎の制御と電力、電流、電圧測定結果についてクラウドによる遠隔モニタリングを構築し、劣化ソーラーパネルのあるストリング検出等を可能にすることとしています。
また、平成26年7月末までに、「低コスト化、小型化と性能改善、メガソーラーへの導入」として、部材費の低減、新規デバイスの開発、サーバ自動切り替え制御の改善等を行うの目標としています。

メガソーラーにおいては、数千枚、数万枚に及ぶソーラーパネルの1枚1枚についての保守管理が課題となっています。
1枚だけが不良になっても大きな影響はありませんが、その数が時間の経過とともに増加していった場合、全体の発電量が低下し、収益を圧迫することにもなります。
また、保守管理を行う場合、太陽光発電は、時間的、季節的、地域的格差により発電効率が異なるため、不良箇所の特定には蓄積された過去データの利用が必須となります。

これらをクラウドの利用で効率的に行うことを可能にするのが今回の取り組みの目標となっています。
事業用メガソーラーの建設が増加する中、今後に課題となる保守管理に貢献するものとして期待されています。