両面受光型の太陽電池を採用した「旭川北都ソーラー発電所」が11月29日より運転開始したと、西山坂田電気(旭川市)が発表しました。

両面受光型太陽電池は、1枚のセルで表面と裏面の両方から光を取り入れて発電するもので、地表に積もった雪の反射光を取り入れて発電効率を上げることができます。
積雪寒冷地である旭川では、通常の太陽光発電パネルでは「雪」が発電の妨げになるため、このパネルの効果が期待されています。

同発電者は、敷地面積35,140平方メートル、発電出力は1.25MWで、想定される年間発電量は147万kWh(一般家庭約450軒分)となり、一般的な片面発電から得られる発電量よりも大きな数値となっています。
この両面発電パネルを使用するのは、同発電所が道内初となり、メガソーラー発電所としては世界初となるとのことです。

この度使用された両面受光型太陽電池セル「EarthON」を製造・販売するPVG Solutions(神奈川県)では、北海道北見市にて両面受光型太陽光発電システムの実証試験を継続して実施しています。
これは、積雪がない場合の地表面からの反射光を多く得る方法として、太陽光発電パネル直下の地表面にホタテの貝殻を敷き詰めるというものです。

2013年11月度の実証試験レポートによると、この方法によって、地表面が芝である状態に比べて6.8%、片面受光型太陽光発電パネルを利用した場合の予想発電量に比べて13.3%の発電量増加効果が得られたとのことです。

今後、固定価格買取制度の売電価格がいっそう低くなっていくことが予想されますが、そうなれば、太陽光発電事業において、効率を上げるための様々な取り組みが必須となります。
積雪が無い地域でも、両面受光型太陽電池を使用することによって発電量を高めることができることがわかったことにより、今後の太陽光発電の効率化への対策として注目されています。