宮崎大とLooop(東京都)は、ソーラーシェアリング実施時の太陽光発電システムの遮光等による農作物の生育・収量に及ぼす影響と売電収入試算等を考慮した経済性に関する研究を開始したとのことです。
Looopは、太陽光発電システムの開発・販売・設置等を行っていますが、11月発売予定のソーラーシェアリング向け太陽光発電システム「MY発電所キット 空中型」の新製品「ソラシェア」の投入を予定しており、その実効性を研究によって裏付けるという意味があるようです。

ソーラーシェアリングは、農林水産省では「営農型発電設備」という名称で呼ばれており、農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備等の発電設備を設置し、農業と発電事業を同時に行うことをいいます。

ソーラーシェアリングはすでに実用段階となっており、事業開始に必要な農地転用許可の判断基準についての指針づくりが進められています。
売電収入を得て収入を増やすことができるという点で、農村地域の振興策として、ソーラーシェアリングに対する注目が高まっています。

ソーラーシェアリングは、農作というその土地に根ざした複雑な要素があるため、ケースバイケースの設計・管理が必要であると考えられますが、これをある程度標準化した上で商品化するにはかなりの数のデータをとることが必要であると思われます。

この度の研究では、農地における太陽光発電システムの最適なシステム運用方法についての研究を企業が行い、ソーラーシェアリングに適した作物や品種の選抜と栽培方法に関する研究は大学が行う、という役割分担になっているようです。
作物の収穫量による収益と発電量による収益において、どちらにも偏らない最適なポイントがあると考えられますが、企業と大学の研究の連携によって、ソーラーシェアリングににおいて最適な収益をあげるためのノウハウが明らかになることも期待されます。