テイクエナジーコーポレーション(TEC/熊本県)は、同県山都町に建設するメガソーラー「水増ソーラーパーク」において、気象情報会社ウェザーニューズ社(東京都)と気象予測に基づく発電予測の実証実験を開始すると発表しました。

このメガソーラーは熊本県のメガソーラー候補地として公募されたもので、土地面積は3.4ha、発電設備規模は1975.68kWで、今年12月に完成予定とのことです。
テイクエナジーコーポレーションは、2012年8月に設立されたベンチャー企業で、自然エネルギー等による発電、電気供給、販売などを手がけています。

これまで、メガソーラーは問題の少ない平坦地に建設されてきましたが、普及が急速に進むにつれ、建設地不足の問題も浮き上がってきています。
都市近郊内陸の平坦地はすでに確保が難しい状況となっているため、現在は、塩害対策が必要な臨海地域への建設が進んでいます。

そして、今度は山間地への建設が計画されるに至ったわけですが、水増ソーラーパークは中山間地域の傾斜地に設置される日本で初めてメガソーラーとして注目を集めています。
山間の傾斜地の場合、平坦地に比べると、日照時間の減少のほか、気象的な影響を受けやすいという問題があると思われます。
そういうこともあって、ウェザーニューズ社の協力を得て、この度の実証実験の実施に至ったものと思われます。

具体的には、ウェザーニューズ社が気象予測情報を提供し、提供された気象予測情報をもとに発電予測を行い、発電予測と実際の発電量との関係を解析し、その上で、ウェザーニューズ社の気象観測器を用い、日射量などの気象データで取得した実況データをもとにした発電量予測を行いながら、その予測の精度を高めていくとのことです。

TECは「再生可能エネルギーの安定的供給のための実証研究」を目標の一つとして掲げており、この度のケースはその理念にかなったものとなったようです。
このメガソーラーで培われた技術により、今後の太陽光発電所の立地の制約を少なくし、再生可能エネルギーの普及拡大に貢献したいという考えとのことです。

このケースの実験も含めた実績によって、今後山間地へのメガソーラーの建設が進んでいく可能性が大きいと思われますが、そういう意味でも注目される案件となっています。