トマト銀行は、取引先のメガソーラー事業参入を、売電収入と発電設備などを担保としたABL(アセット・ベースド・レンディング)方式の取り組みにより支援したと発表しました。
今回支援したのは、ニーズ(岡山県玉野市)が行うメガソーラー事業で、その設備資金などのファイナンスをABL方式によって実施したとのことです。
メガソーラー事業へのABL方式によるファイナンスは同社では初めての取り組みとなります。

ABLとは、企業が不動産以外の動産(在庫や機械設備等)・債権(売掛金等)などといった流動性の高い資産を担保として借り入れを行うものです。
中堅・中小企業が金融機関から資金を調達しようとする時、当該企業が所有する不動産を担保としたりするケースがほとんどで、それが出来ない場合、経営者の個人保証が条件となるケースも少なくありませんでした。
しかし、経営者による個人保証によって生み出される悲劇が社会問題になったりもし、そういったことが、中堅・中小企業の資金調達の障壁となってきました。

そういう状況の中、太陽光発電事業における売電収入が債権として安定的なものであるという判断がされたわけです。
ABL方式を採用する融資案件が増えてくれば、企業活動の活発化につながるわけですが、太陽光発電においてもこのシステムがうまく可動することが期待されています。

メガソーラー事業に参入する企業が増えることは好ましいことに違いありませんが、この方式による融資が加速することによって不良案件の増加も懸念されます。
太陽光発電事業は「手のかからない金のなる木」では決してなく、長期のしっかりとしたメンテナンスの上に成立する事業であり、それを考慮した事業計画が必須となります。
融資する側にも、上記の点がきちんと計画で考慮されているかどうかを判断できるスキルが必要になるものと思われます。